その工夫は本当に必要なのか?

その工夫は本当に必要なのか?

[No.0499]
 
 
理念と経営数値の専門家
生岡直人です。
 
 
たまには数字に

まつわるコンサルの話も(^^)
 
 
 
先日、あるクライアント先の
経理部長と打ち合わせをしていました。
 
このクライアントさんは
売上は数10億

利益も毎年数億単位で出る
優良企業です。
 
 
 
 
経理部長さんとの打ち合わせ内容は
「下半期の修正予算案について」
です。
 
 
 
 
上半期は売上額に関しても利益に関しても
当初予算よりも落としている状態であり、
 
「どうやって下半期で
巻き返すかの戦略を練りたい」
 
とのことでした。
※とはいえ、経常利益は10%出ていて
 一般的には優良な状態ではあります。
 
 
 
 
 
この経理部長さんは
数字の面のみならず、
販売現場サイドの状況や声も
把握することに努めており、
 
「なぜ、この数字になったのか」
という理由も
しっかりキャッチしようとされている方なので
いつも有意義な打ち合わせになります。
 
 
 
 
 
今回の打ち合わせも
・プロパー販売とセール販売の適正な割合を示す
・各店舗ごとの適正人員配置の見直し
など、
 
今後、現場サイドと確認し合いながら
適切に数値に落とし込む内容を整理できました。
 
 
 
 
 
その打ち合わせの中で
「なるほど~その考え方大事ですね。。」
と経理部長に
関心して頂いた事の1つが
 
『販売促進費の見直し』
 
についての議論でした。
 

 
 
 
経理部長は
 
「今行っている販促について、
もう少し工夫をしてもらうことで
さらに売上は伸びると思っています。
現場にどう伝えていけば
工夫してもらえるでしょうか?」
 
と私にご質問いただき
その後、こんなやり取りをしました。
 
 
 
 
 
 
生岡:
「今行っている販促って
確かある程度の成果は出てますよね?」
 
 
経理部長:
「そうですね、
効果は良い感じで毎年出ています。」
 
 
生岡:
「今の販促を行うにあたって、
現場の方々はストレスを
感じていそうですか?」
 
 
経理部長:
「ストレス?いや~もう行うのが
当たり前になってますし、
みんな自然にやってますよ。」
 
 
生岡:
「ですよね。となると今まで
ノンストレスで行えている
効果の高い施策に
敢えてストレスをかけるリスクも
あるということですね。」
 
 
経理部長:
「…(ハッとした顔)」
 
 
生岡:
「先程のプロパー販売率や
適正人員配置を見直していくことで
現場にはある程度のストレスはかかります。
ただ、ここは改善すれば
数値が上がることが見通せるものなので、
現場の皆さんも
『わかっちゃいるけど痛いところを突かれた』
のような一定の納得感はあるんですね。」
 
生岡:
「でも販促についてはどうでしょう?
現場の皆さんからすると
『上手くいっているのになんで?』
という気持ちが
先行する可能性はありませんか?」
 
生岡:
「下半期の予算は、皆さんの
モチベーションがあってはじめて
達成するものですし、
販促への取り組みは
慎重に検討したいところですね。」
 
 
 
経理部長:
「なるほど~。
ホントそうですね…
危ないところでした。
その考え方大事ですね。」
 
 
 
 
 
 
といったやり取りです。
 
 
 
 
 
私はコンサルでは、
キャッシュフロー計画表を見ながら
 
クライアントさんと一緒に
予算の進捗を確認するのですが
 
そこでよくクライアントさんと
議論を交わすことになるのが
 
『戦略経費』です。
 
 
 
 
 
今回で言うところの
『販売促進費』がそれに当たります。
 
 
 
 
 
 
『戦略経費』は
広告宣伝費や販売促進費に
あたるもので
 
他の経費のように
 
「削減すればいい」
というものでも
 
「簡単に手を入れてもいい」
というものでもない
と思っています。
 
 
 
 
 
 
『戦略経費』なので
当然、戦略的に
「さらにお金をかける」
ときも必要です。
 
 
 
 
もっと言えば
成果が出ている間は
「手を入れない」
のも一つの策だとも思っています。
 
 
その理由として、
上手くいっている間は
しっかり利益を
確保できるという部分もあるのですが
 
 
一番大きな理由は
 
広告宣伝費や販売促進費といった
 
戦略経費には
『想いが乗っている』
ことが多いのです。
 
 
 
 
言い換えれば
それらを運用にしている
社長や社員が
 
『頭を捻り、プライドを持って
世に挑戦している試み』
 
でもあると思っています。
 
 
 
 
 
それを数字の面のみから見て
「手を加えた方が良くない?」
なんて、やはり安易には言えません。
 
 
 
 
 
どんなモチベーションで
どんなプライドを懸けて
戦略経費を投じているかを
感じられるかが
とても重要だと思っています。
 
 
 
 
コンサルタントとして
クライアントさんお一人お一人との
向き合い方を改めて
質の高いものにしていこうと
考える出来事でした。
 
 
 
 
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
 
 
 
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